怪(カイ)の日本語

会期を終えたばかりの「大妖怪展」@江戸東京博物館。title

先月上旬に引率したのは、

選択授業「怪(カイ)の日本語」を受講している20名余の学生です。

平安・鎌倉時代の地獄絵から、室町時代の絵巻、江戸自体の浮世絵など、

国宝・重要文化財を多数含む日本美術の名品が一堂に会していて、

最後は縄文時代のの遮光土偶、そして現代の妖怪ウォッチで締めくくられています。
しゃこうどき

早々に会場を出てくる人もいれば、じっくり見てくる人もいます。

でも、多くがあげていたのが、昭和初期に描かれた「雪女」をはじめとする幽霊画。

あるいは、江戸時代の妖怪図や六道図。地獄絵にも興味があるようです。

イタリアの大学で紹介されていた、歌川国芳の「相馬の古内裏」の実物を見て

感動している人もいました。

相馬

次回は「怪しい絵本」「こわい絵本」を取り上げます。

一人2冊、図書館から借り出してくるのが課題。

どんなものを選んでくるのでしょうか。

9月といえば・・・

みなさん、こんにちは、3階スタッフの大阿久(おおあく)です。インターカルトでは、毎月イベントが行われますが、そのイベントの企画、運営を行っています。7月は柴又帝釈天(しばまたたいしゃくてん)へ行き、8月は学校で夏祭りをしました。では、9月は何をするでしょう?

9月といえば……「お月見」です。特に旧暦8月15日(現在の9月15日ごろ)の月が一番きれいに見えるそうで、その夜を「十五夜(じゅうごや)」といい、十五夜に見る月を「中秋(ちゅうしゅう)の名月(めいげつ)」といいます。まだ残暑が厳しく、秋が始まったばかりなのに、なぜ、「秋の中」なのでしょう?昔の人々は、現在の7月から9月を秋と考えていました。8月は秋の真ん中であることから、この時期のきれいな月を「中秋の名月」と呼ぶようになりました。

日本では、月も神様の一人と考えられています。昔の人は、月見団子と、稲に似たススキを飾って、月の神様に秋の豊作を祈りました。その風習が現在でも「お月見」として、続いています。

月を見ていると、黒い影が見えますね。みなさん、あれは何に見えますか?日本では、あの黒い部分はうさぎだと考えられています。みなさんは、「月のうさぎ」というお話を聞いたことがありますか?

昔々、さるときつねとうさぎが仲良く暮らしていました。 ある日、三匹は倒れているおじいさんを見つけました。おじいさんは言いました。「お腹がすいてもう動けない。助けてください」
すると、さるは木の実を、きつねはお供え物の団子を持ってきて、おじいさんにあげました。しかし、うさぎは何も持ってくることができませんでした。自分はさるのように器用でもない、きつねのように知恵が働くわけでもない。力が強いわけでもない。でも、何とかおじいさんを助けたい。そこで、うさぎはなんと、「私を食べてください!」と言って、火の中に飛び込んでしまいました。

おじいさんは、うさぎの姿を見て、とても感動します。実はおじいさんは「帝釈天(たいしゃくてん)」という神様でした。「自分を犠牲にしてまで、私を助けようとするとは、なんて勇敢なうさぎなんだ!私はうさぎにかわいそうなことをしてしまった。もし、今度生まれ変わったら人間にしてやろう。みなのもの、月が明るい夜には空を見上げてこのうさぎを忘れないようにしよう」と言い、煙になったうさぎを月に映してやりました。

みなさんの国では、月についてどういう言い伝えがありますか? 今週金曜日に1階ラウンジで「お月見」をします。和菓子を食べながら、みなさんの国の月を話してみてはどうでしょう。

秋は「食欲の秋」といい、食べ物がおいしい季節です。「お月見」を通して、食べ物への感謝の気持ちを新たにしましょう。

去年の模様です。

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夏休みに学生の国へ

長期コースは、今週いっぱいお休みです。
学生たちも国内で旅行をしたり、国へ帰ったり、いろいろ楽しく過ごしているようです。

私はといえば、数少ない長めの旅行に出かけられるこのチャンス。これまでは、南の島で時代とは逆行し真っ黒になって帰ってくるのが楽しみでしたが、如何せん年も年なのでビーチは卒業しようと決め、まず今年は①日本から近い②たくさんの学生たちの出身国③食べ物が安くておいしいらしい、の3つの理由で「台湾」にしました。今まで行かなかったのが不思議だとよく言われます。

授業で学生に夏休みの予定を聞かれ、台湾へ行くつもりだと話したら、ちょうど国へ帰ろうと思っていたという学生が、ガイド役を買って出てくれました。以前担任をしていて今は台湾の日系企業で働いている卒業生も空港までの送り迎えを。imagel

数人の学生がかわるがわる私と一緒にいてくれたので、中国語がまったくチンプンカンプンな私も楽チンな旅でした。当初は正直、ちょっと一人で歩き回ってみたい気持ちもありましたが(実際、最終日の半日は自分で地下鉄を使い歩き回りました。)、最終的には、日本人が知らないような地元の小さいお店なども行けて、すばらしい旅になりました。
みんな私に「日本ではできない経験」をたくさんさせようと、いろいろスケジュールを考えてくれて、何よりもその気持ちを嬉しく思いました。

これまでも日本語教師になってよかったと思う機会はもちろんたくさんありましたが、今回のような思い出深い旅ができたのも、この仕事でたくさんの学生たちに会えたからですね。

島崎

お久しぶりです~!

毎日暑い日が続いていますが、夏バテなどしていないでしょうか?

この暑い7月と8月、ウィークリーコースではサマーコースを開講しており

学生達は上野やスカイツリー、和太鼓、茶道から忍者体験に至るまで

毎日足が棒になるほど歩き回って色々な活動に参加しています。

 

サマーコースの学生の中には

「お久しぶりです~!」

「去年楽しかったので、もう一度来ました!」と言って

再来日してくれる学生も時々いて、そうした再会はこちらもとっても嬉しいものです。

 

実は、このようにもう一度インターカルトへ来てくれる学生、この夏の時期は

いつも以上に多くなるんです!

夏は自国の夏休みの時期を利用して何度も来てくれている学生も多いので

「私達は去年も同じクラスでした!」と話すクラスメイトもちらほら。

 

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こちらは台湾出身のひずみさん、張さん、呉さん。

張さんはなんと、4年前から毎年来てくれています。3人とも、来る度に日本語もどんどん上手になっています!

ワルさんと写真

こちらは去年ウィークリーコースでクラスメイトだったロシアのドミトリーさんと、インドネシアのヴァルさん。

今回は長期コースとウィークリーコース、とクラスは違ってしまいましたが、

写真を撮って再会を喜んでいました。

 

本当はもっともっとたくさんの復学生がいるのですが、全てを紹介できず残念です!

 

こうした再会は、学生達当人ももちろん嬉しいものだとは思うのですが、

その再会した笑顔を見て、いつも私達教師は元気をもらっています。

”学生時代の夏” という貴重な時間を、このインターカルトで過ごしてくれることを

思うと、じ~んと感動してしまう私です。

 

学生達は帰国後もお互い連絡を取り合って関係を築いているようですが、

これから時間が経っても、ここで過ごした時間や先生、スタッフのことも

時々思い出してくれたらと、ちょっぴり願っています。

 

そんな思い出が作れるよう、暑さに負けず、学生皆の日本での時間をサポートして

いきたいと思います!

 

 

田栗

 

日本語教師活躍セミナーinベトナム

今年から始まりました日本語教師活躍セミナー、ベトナム編が開催されました。

インターカルト日本語学校の提携校のサイゴンランゲージスクールのタオ校長先生にお話いただきました。

ベトナムはどんな国か、ベトナム語ってどんな言葉かという基本のお話に始まり、

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優良校の認定書

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市場で売られている生地

ベトナムのきれいな景色や市場の風景なども紹介いただき、現在サイゴンランゲージスクールでインターカルトの修了生の教師が授業はもちろん日本留学のためのセミナーを開いたり、新聞を作ったりしていること、常に学生目線での学校作りを心がけているために何千とあるベトナムの日本語学校の中で限られた数校にしか与えられない優良校に認定されていること。などなどお話していただき、在校生からも活発に質問が飛び出し、大変盛り上がったセミナーとなりました。

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最後はみんなで集合写真

サイゴンランゲージスクールはベトナムの日本語学校では珍しく、日本人教師が主体となり直接法で教えています。会話だけでなく導入も日本人教師が担当するためとてもやりがいがあり、日本語教師として一回りも二回りも大きくなれる学校です。インターカルト日本語学校では、当校の養成講座を受講した後にサイゴンランゲージスクールで採用された人を対象に、奨励金制度が新設されましたので、ご興味のある方は一度お問い合わせください。

外国人の就職サポート

 

就職サポートを担当しています。

 

3ヶ月ごとに新しい学生がやってきます。

学生の皆さんのバックグラウンドは様々ですが、

「日本で働きたい!」という強い気持ちは同じです。

 

わずか6ヶ月間のプログラムの中で一生懸命日本語力を磨き、

一生懸命就職活動のノウハウを身に付けていきます。

そして就職活動も同時にしていきます。

 

自分の日本語力の不足や企業のリサーチ不足から、

時には深く落ち込んだりするのですが、

気持ちのアップダウンを経ながら、

そして日本式の独特な就職活動スタイルにもめげずに頑張っています。

本当にすごいものです。

 

 

先日、ひとりの学生から「就職が決まりました!」と嬉しい報告をいただきました。

日本人の大学生が受けるのと変わらないぐらい多くの会社にアタックをし、

ついに内定を掴むことができたようです。

 

「よく頑張ったね、大変だったでしょう」と声をかけると、

「いえいえ全然です!諦める気は全くありませんでしたから」とあっさり。

帰国か、日本で就職かの選択しかない中にいる彼らの、

ポテンシャルは非常に高いのだと改めて感じました。

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仕事が始まってもきっと大変なことがあるだろうと思います。

彼らの想いや技術を活かすうえでも日本の会社も変わっていかなければならないと思っています。

 

就職を報告してくれた学生から、

最後に「お世話になりました」とケーキをいただきました。

学校を去るときはあっという間。

祝杯とご馳走をたんまりしたかったのに。

 

 

 

 

江戸時代にタイムスリップ?

タイムスリップ

サマーコースの引率で30年ぶり?に本川越に行ってきました。男子学生から行く前の電車の中での質問 『そこは車は走っていますか?』学生はどんな昔の街を想像したのかちょっとびっくりしました。説明が悪かったか?(昔の江戸の街並みが少し残っている所と説明していたが・・・)道路がコンクリートではなく砂利道とかだったらもっと江戸を感じることができるけど~人力車も明治時代からなので江戸時代にはまだないですね。学生はちょっとがっかりしたのか、していないのか。どんな風にに思ったのか途中で別れたので聞いていませんが会ったら感想を聞いてみようと思います。

この一角は本当に古い家や蔵とかが残っていてなかなかいい所です。昔と現代の融合~ただ今は完全に観光地となっていて途中に今流行の美味しいのもとか売っているお店も沢山あるので逆にちょっと残念・・・・・!でも、みなさん是非行ってみてください。

散策コースも時間によっていくつかありますので本川越駅の観光案内でパンフレットを貰って散策を楽しんでみてはいかがですか。今の季節は浴衣や着物も安くレンタルできるお店もあるので閉店の5時までに返せば1日着て散策もできますよ。

木原

 

 

 

在留資格認定証明書

スタッフの高橋です。最近、毎朝早くから書類と格闘しています。入学希望の皆さまから頂いた書類をチェックしながら、「在留資格認定証明書」の交付申請書を作成する作業です。

「在留資格認定証明書」とは、入国を希望する外国人が日本で行おうとする活動が虚偽のものでなく、かつ、入管法に定める「在留資格」のいずれかに該当していることを、あらかじめ法務大臣が認定したことを証明する文書です。

長期コースで勉強する方は、原則として留学ビザが必要ですが、この証明書を添えて、在外公館(大使館・領事館)に申請すると、迅速に留学ビザが発給されます。

証明書がない場合は、在外公館から外務省、外務省から法務省、法務省から入国管理局へ連絡、入国管理局が関係者に事情聴取、という流れになります。そして、入国管理局→法務省→外務省→在外公館と、逆ルートで回答が戻り、ようやくビザをもらえることになります。しかし、この証明書があれば、在外公館のみの判断でビザを発給できるので、大幅な時間短縮となります。

学校では、入学希望の皆さまに代わって、この証明書の交付を一括申請します。今週は、2016年10月入学希望の皆さまの申請準備が、ピークを迎えています。

皆さまが作成された入学願書、経費支弁書、留学同意書。添付された卒業証明書、職業証明書、収入証明書等。ひとつひとつ、丁寧に目を通しながら、正確性、妥当性、整合性を検証します。なぜ日本語を学びたいのか、日本語を学んで何を実現したいのか、おひとりおひとりの想い、夢を確認します。

まもなく、入国管理局へ一括申請。8月下旬に一括交付。入学式は10月上旬です。書類上で出会った皆さまと笑顔で対面できること、そして、皆さまの夢の実現を支援できることを楽しみに… 書類と格闘する日々です。

在留資格認定証明書

 

突然の出来事に上手く対応できる人、できない人

長期コース担当の田中です。先学期のことですが、中級以降の目的別授業という選択授業で「小説・エッセイ」という科目を担当しました。その授業のネタを探している時に面白いものを見つけました。それは「出席番号が前の方の人はトップバッターに向いている説」です。

どういうことかと言うと、「日本の小学校や中学校、高校では、先生が誰かを指名する場合に出席番号順になることが多い。そのため、出席番号が前の方の人たちは、長い学生生活においてそのような場面を何度も経験しているので、普通ならうろたえてしまいそうな突然の難題にも見事に対応できる精鋭たちである」というものです。出席番号順で前の方の人というのは、具体的には苗字が「あ」や「い」で始まる人たち、例えば「阿部さん」や「安藤くん」、「石田さん」や「井上くん」といった人達です。

ちなみに自分はどうかと言うと、苗字は「た」で始まり、50音で言えばほぼ真ん中。クラスに50人学生がいるなら、25番目くらい。「阿部さん」や「安藤くん」のように急に先生から無茶振りをされることもなく、かと言って「渡辺さん」や「和田くん」のように最後にうまいまとめを迫られることもないまま、小学校から大学まで安穏と過ごしてきました。そのため、唐突な物事には全くと言っていいほど上手く対応することができません・・・。この文章を書いている今も、これまでの経験を思い出して、その思いがさらに強くなりました。ですので、私はこの説を読んだ時に「確かにそうかもしれない」と思ったのですが、皆様はいかがでしょうか。

さて、この出席番号順で学生が当てられるシステムですが、インターカルトには50音順の名簿がないので、行われることはまずないと思います。外国の学校では、学生はアルファベット順で名簿に名前が書かれているのでしょうか。ちょっと知りたい気持ちになりました。今後機会があれば、出席番号順で学生を指名して、日本の学校ではこのようになっているんだと教えてみたら、学生から何か面白い反応が得られるかもしれませんね。pose_aseru_

春はそこまで

今 日から3月。もう春はそこまで来ていますね。私の住んでいる八王子は、天気予報で都心とよく比較されます。特に雪が降った時がそうですね。都心で5センチであれば、八王子は20センチは積もります。雪かき用シャベル、長靴は必需品です。

さて、2月の下旬に暖かい日が続いたとおもいきや、次の日は雪がぱらつきこんな感じに。しかし、次の日は快晴。春が待ち遠しいと梅の花が咲き始めていました。

どんなに寒くても自然の草木は春を感じて、咲く準備する。自然の生命力を感じる春、私たち人間も何か動き出したくなる季節ですね。

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私の所属する日本語教師養成コースの10月期の学生たちは、実践コース受講中です。1月から始まった初級実習ですが、先月、インターカルト日本語学校の学生を相手に本番の実習がありました。約2か月近く、毎日の実習授業の成果が表れる日です。学生たちの国籍は多国籍です。始まる前は声がかけられないくらい緊張している様子でしたが、始まってしまえば堂々と自分の教案通りに授業を進めていました。反省はあるにせよ、よくここまで頑張ってきたなと養成担当の私としては涙がでるくらいうれしいものです。しかし、本番実習が終わって、ホッとする間のなく中上級実習がスタート。1か月みっちりと実習が続きます。春の訪れとともに、10月期の学生は修了式を迎えます。4月には全員が教壇デビューを目指します。春本番が待ち遠しいですね。

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