Archive for 行事・日本語学校の毎日

突然の出来事に上手く対応できる人、できない人

長期コース担当の田中です。先学期のことですが、中級以降の目的別授業という選択授業で「小説・エッセイ」という科目を担当しました。その授業のネタを探している時に面白いものを見つけました。それは「出席番号が前の方の人はトップバッターに向いている説」です。

どういうことかと言うと、「日本の小学校や中学校、高校では、先生が誰かを指名する場合に出席番号順になることが多い。そのため、出席番号が前の方の人たちは、長い学生生活においてそのような場面を何度も経験しているので、普通ならうろたえてしまいそうな突然の難題にも見事に対応できる精鋭たちである」というものです。出席番号順で前の方の人というのは、具体的には苗字が「あ」や「い」で始まる人たち、例えば「阿部さん」や「安藤くん」、「石田さん」や「井上くん」といった人達です。

ちなみに自分はどうかと言うと、苗字は「た」で始まり、50音で言えばほぼ真ん中。クラスに50人学生がいるなら、25番目くらい。「阿部さん」や「安藤くん」のように急に先生から無茶振りをされることもなく、かと言って「渡辺さん」や「和田くん」のように最後にうまいまとめを迫られることもないまま、小学校から大学まで安穏と過ごしてきました。そのため、唐突な物事には全くと言っていいほど上手く対応することができません・・・。この文章を書いている今も、これまでの経験を思い出して、その思いがさらに強くなりました。ですので、私はこの説を読んだ時に「確かにそうかもしれない」と思ったのですが、皆様はいかがでしょうか。

さて、この出席番号順で学生が当てられるシステムですが、インターカルトには50音順の名簿がないので、行われることはまずないと思います。外国の学校では、学生はアルファベット順で名簿に名前が書かれているのでしょうか。ちょっと知りたい気持ちになりました。今後機会があれば、出席番号順で学生を指名して、日本の学校ではこのようになっているんだと教えてみたら、学生から何か面白い反応が得られるかもしれませんね。pose_aseru_

スイカは高級?

先日、ミャンマーの学生と話していて、日本で一番驚いたことは何か聞いてみたところ、スイカをみんなが喜んで食べていたことだと言っていました。ミャンマーではスイカは安すぎて食べない、見向きもされない果物なんだそうです。その日本で売られている金額とどうやらみんな好きらしいということにびっくり!と言っていました。職業柄いろいろな国の話を聞きますが、スイカが安すぎて食べないという話は初耳で、まだまだ知らないことがあるんだとちょっと嬉しくなりました。

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スイカを喜んで食べるかつてのたまご先生(3人とも今は立派な日本語教師です!)

間(ま)と間(あいだ)

明けましておめでとうございます。

教務の米山です。

相撲を観ていて不思議に思ったことがあります。それは取り組み(試合)の始め方です。何度も仕切りをして、両者の呼吸が合った瞬間に始まることがあります。つまり力士両者の「立合い」に任されているんですね。

「立合い」に関して、Wikipediaにはこう書かれています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%8B%E5%90%88%E3%81%84

力士同士が呼吸をあわせて「立ち合う」のが語源。審判など第三者によらず、競技者同士の合意によってはじめて競技が開始されるという意味で、対戦形式のスポーツの中ではきわめて稀有な形態である(詩人ジャン・コクトーは「バランスの奇跡」と讃えた)。

 

現在は制限時間一杯になってから始めることが多いですが、ラジオ放送が開始される前は制限時間はなかったそうです。

お互いの呼吸の「間(ま)」を合わせるために、仕切りをする時間「間(あいだ)」が必要なのかもしれませんね。

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ドラムのインストラクターの方の本を読んだことがあります。

ある三味線のお師匠さんに呼ばれて、邦楽の方々の中にまじってドラムを叩いたことがありました。そこでマイッタのが曲のスタートです。洋楽だったら、まずまちがいなく「1・2・3・4」とカウントがあって曲に入るのですが、邦楽にはこれがない。お師匠さんの「ハッ」で入っちゃうんです。これにはどうしてもついていけなかった。(『リズムに強くなるための全ノウハウ』市川宇一朗)

 

西洋のリズムは「時間の進行」に支配され、日本のリズムは「時」とか「刻」ではなくて、「間(ま)」によって支配されているのだそうです。

いずれにせよ、「間(ま)」というのは、「間合いを取る」という言葉にも表されるように相手との距離があってはじめて成立するわけです。そこにはお互いの暗黙の了解(信頼)が存在するのではないでしょうか。。

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私は夕食をすき家や日高屋でとることがよくあります。

食べ終わってレジに行くと、店員はこう言います。

  1. ラーメン390円と餃子210円で600円になります。
  2. 1000円お預かりします。
  3. 400円お返しです。ご確認ください。
  4. ありがとうございました。
  5. こちらレシートとサービス券です。次回お使いください。
  6. またお願いします。

別に問題ないですね。

ただ、私はファーストフード店でも、できるだけ「ごちそうさま」と言うようにしています。ところが、その「ごちそうさま」が入れられません。最後に言おうとしても、店員はすでにどこかへ行ってしまっています。

今はどこの店でもきちんと接客用語を使っています。でも店員も会社もその間(あいだ)に客の言葉が入ることなど想定していないのでしょう。普通は客も黙っています。だから最初から最後まで全く「間(ま)」がなく、店員が一方的に早口で言葉を並べているんだと思います。

まあ、ほとんどの人には必要ないのかもしれませんけど、私は一生懸命働いている店員さんには「ありがとう」「ごちそうさま」と一言声をかけたくなります。それがカワイイ女性だったらなおさらです。

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ただ、よく言われるマニュアルの接客用語には気持ちがこもってない、という話とはちょっと違います。

先日、久しぶりにヤフーオークションを利用しました。落札すると取引ナビで出品者と落札者の間に以下のようなやり取りが始まります。

<出品者>このたびは落札いただき、ありがとうございました。出品者の山田太郎と申します。お取引終了までどうぞよろしくお願いいたします。早速ですが、お支払い方法などにつきましてご連絡させていただきます。(中略)それでは、ご連絡をお待ちしております。

<落札者>ご連絡ありがとうございました。田中花子と申します。こちらこそ、よろしくお願いいたします。以下、ご連絡申し上げます。 

<出品者>出品者の山田です。ご返信ありがとうございました。商品代金○○円、送料○○円、合計○○になります。ご入金されましたらお知らせください。 

<落札者>田中です。本日、入金しました。ご確認ください。それでは、商品が届くのを楽しみにしております。よろしくお願いします。 

<出品者>出品者の山田です。ご入金を確認しました。ありがとうございました。本日、商品を発送しました。到着までいましばらくお待ちください。 

<落札者>田中です。本日、商品を受け取りました。このたびはありがとうございました。評価をさせていただきました。ご確認ください。またご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。 

評価:非常に良い 商品無事に届きました。迅速で丁寧な対応をしていただきありがとうございました。機会がありましたらまた利用させていただきたいと思います。 

一般的な手紙やメールのやりとりと同様です。実際には受け答えの雛形を作って、特に感情を入れることなくコピペで送っている人も多いと思います。でも、そこには相手が返信してくることを前提として、やり取りに「間(ま)」があります。きちんと連絡が来ると安心するし、相手に対して信頼感も出てきます。そして品物が届く「間(あいだ)」も安心して到着を楽しみにすることができます。

ところが、今回落札後に取引ナビ(ベータ版)を開くと、新システムに変わっていました。あらかじめ用意されたフォームに必要事項を入力していくだけです。お互いに言葉をやり取りする必要はありません。最後の評価も用意されたテンプレートから選びます。

確かに手間もわずらわしさもなく、簡単で楽です。どちらがいいかは、意見の分かれるところでしょう。

最後に私も指示通りにテンプレートから選んで評価しました。

評価:非常に良い ありがとうございました。とても良い取引ができました。また機会がありましたら、よろしくお願い致します。 

ほどなく出品者からも連絡が来ました。

評価:非常に良い ありがとうございました。とても良い取引ができました。また機会がありましたら、よろしくお願い致します。

やはり、生きた言葉には相手との「間(あいだ)」に「間(ま)」が必要なんですね。

 

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落札した沢田研二のDVD6枚組ボックスセット。ほぼ新品同様の美品。包装も丁寧で迅速に対応してくれたので、一言お礼の気持ちを伝えたいと思いましたが。

 

日本語のTPO

インターカルトの学生も、ゼロレベルから3ヶ月も勉強すると日本語で話してくれるようになります。中級ぐらいになるといろいろな表現が使えるようになって驚かされることもしばしば。

そんなある日、エレベーターに乗ろうと思っていたら、先に英語圏の学生がボタンを押して待っていました。エレベーターの扉が開いたとき、

「一緒に乗るかい?」

と言ってきたのでびっくり。

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文法も表現も文句なしのパーフェクト。アニメやドラマでは聞いたことがある言い回しですが、実際に聞くととても違和感がありました。

また別の日、養成講座の受講生が、日本語学校の某ス○ーデ○学生の名前を「○○君」と呼んだんです。これはとても新鮮な感じがしました。

ここは日本語学校ということもあり、私たちにとって学生はみんなお客様。学生を呼ぶときは「○○さん」と呼ぶことがほとんどです。でもよく考えてみると、日本語のあだ名を持っている学生のことは「君」や「ちゃん」をつけて呼んでいます(私は)。

以前、人の呼び方には心理的距離が表されていると聞いたことがあります。子供のときに出会った友達には「君」や「ちゃん」を付けたり、あだ名や呼び捨てだったり。友達から「さん」で呼ばれると、なんだかつれないな~と思ったり。

でも逆に、大人になってから知り合った人に対して、特に職場などで「ちゃん」付けで呼ばれたらきっとセクハラになることもあるんでしょうね。

いくらその言語を流暢に話すことができても、場所や相手を間違えるともったいないですよね。インターカルトの学生にも言語そのものだけでなく、文化的背景も身につけてほしいと思っています。

 

それはさておき、今日はインターカルト日本語学校の仕事納め。

2015年もいろんな学生に出会いました。また来年いろんな人を迎えるべく準備万端でお待ちしております!

皆様良いお年をお過ごしくださいませ。

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3F 田村

 

 

 

 

 

 

 


					

火事がありました。

2週間前の木曜日、「民華」という御徒町駅近くの老舗の中華料理店で火の手が上がりました。

客席数は20ほどですが、雑誌等で取り上げられていたほどの名店。

どちらかと言うと質素な店構えで、昔ながらの4本脚のテーブルと素っ気ないビニール張りの椅子。

決して低価格ではありませんが、味に惹かれてか、お客さんは途絶えることはありません。

今は帰国している、担当クラスの学生がしばらくアルバイトをしていたこともあり、その際は何回か足を運びました。

ただ麺類、ご飯物とも、あいにく私好みの味ではありません。

それより、お齢を召した女将さんがばっちり仕切っていて、そのアルバイト学生の動きが鈍いと見るや

すぐさま指示が飛んでいたことが、肝心の料理より印象に残っています

そういえば、学生は女将さんの厳しさには不平を漏らすことはありませんでした。

そうそう、産経新聞とどこかのスポーツ新聞が常にテーブルに置いてありました。

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今も付近を通ると、焼け跡の焦げ臭いにおいがかすかに漂っています。

いまだに無残な姿をさらしている民華。怪我人こそ出なかったようでしたが、再建は…おそらくかなわないでしょう。

メニューの写真にあった、大ぶりのあの餃子を食べておけばよかった

餃子好きな私は今になって後悔するのでした。

机の下に入って!!!

机の下に入って!
火を消して!
ドアを開けて!

といえば…そう、地震の時に取るべき行動ですね。

今日は、「地域の日本語教室」で、台東区に住むママさん達と、
防災のための活動を行いました。

「地震が来たら、まずどうする?」という問いに、
一番に出た答えは「ドアを開けます!」というものでした。
本当に一番はそれでいい?どうして?という話を皆でしつつ、
最後には皆で実際に机の下に入るところから、外に出るところまで、やってみました。

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実は、先週課外活動として、本所防災館で地震の体験をしていたので
そこで学んだことを活かして活動に参加している人も。

それから、家に非常持出袋があるか、何を準備しておいたら良いのか、
カードを使いながら「自分にとって必要なもの」を確認しました。

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最後は、実際に防災リュックを広げて、あれこれ触ってみました!
これは何?簡易トイレ?サランラップの使い方は?・・・などなど、質問も飛び交いました。

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そして忘れてはいけないのが、避難場所の確認ですね。
上野公園近くに住んでいる人は、「どんな災害の時でも、まず上野公園に行きます!」
と言って帰っていきました。

「防災」は生活している外国人にとって、もちろん必要なトピックですが、
こうして皆で疑問を出し合っていると、日本人同士でも情報交換ができて
改めて「何が必要か」を考える機会になりました。

皆さんも、今お宅にある防災リュックを、もう一度見直す機会を作ってみてはいかがでしょうか?

田栗(たぐり)

 

電話と日本語の話

こんにちは。インターカルトの米山です。

最近の電話と日本語についていくつか考えてみました。

 

 ①ストラップは死語? 

 

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少し前、カタカナの授業で、教科書に「ストラップ」が出てきた。

「皆さんが携帯につけているのが、ストラップです」と意味を説明したが、学生は「?」

学生の携帯はみんなスマホで、誰もストラップをつけていない。

時代の変化に今さら気づき、しばし呆然。

確かに電車の中でもスマホにストラップをつけている人は見かけない。

気になってネットで検索してみると、こんな書き込みがあった。

「ストラップを付ける事自体が慎重な日本人特有な文化ですから、海外スマホだと付けいてる=ダサいというイメージがあるので、あまり付けている方は居ませんよ。」

なるほど。だとすると日本文化としての「ストラップ」のルーツを考えると根付に遡ることになり、土産物屋でストラップが定番なのも納得がいく。

 

②敬語が使えなくなっているのは携帯電話のせい?

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 こんな記事を見かけた。

「固定電話の時代は、電話に出た友人の家族など一度は誰か別の人を通さないと友人と話すことができませんでした。相手によって言葉遣いを変え、敬語を使う機会が多かったのです。しかし、現代では携帯電話で話したい友人と直接話すことができるため、敬語を使う必要がありません。」(筑紫女学園大学 日本文学科 中村萬里教授)

確かに昔は女の子に電話するとお父さんが出てきて、緊張しながら敬語を使わざるを得なかった。そして電話口の声は威厳のある昭和の父親だった。

 

③「友達」の意味も変わる?

 

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 今の電話の使用方法は通話より、メールやSNSでのコミュニケーションのほうが多いかもしれない。

でもFacebookで会ったことのない人から突然リクエストが来る。「はじめまして」も「よろしくお願いします」の挨拶もなく、「友達」になる。

「友達というのは実際に会って話したり、けんかしたり、仲直りしたりして相手の気持ちを考える関係だと思う。」(NHKテレビ「今夜も生でさだまさし」)

 時代によって「いいね!」の評価も変わるのかもしれませんね。

「you」 を何と呼びますか?

ちょっと前になりますが、台湾出身で、長らく日本で一緒に仕事をしている彭さんのスタッフ・ブログを見て、さすがと瞠目しました。

日本語で、「名前を知らない相手を何と呼べば良いのでしょうか?」という命題です。

今日は、彭さんの文章に触発されて、以下、考察を試みてみたいと思います。

 

呼びかけたい時、彭さんが言うように「あの・・・、すみません」または「もしもし」などと言うしかありませんね。

初めて、呼びかける時だけでなく、話し相手の「you」を何と呼ぶかも、同様に困ります。

 

A:その方は、おいくつぐらいですか。

B:そうですね。ちょうど、「あなた」ぐらいでしょうか。

という会話は通常しません。この「あなた」を使わないということ自体が、本当に不思議な事ですが…

 

場や、状況によって、「あなた」ではなく、

「先生」・「運転手さん」・「店長さん」・「皆さん」などに入れ替えて話していますよね。

小さい子なら、

「坊や」・「お嬢ちゃん」

場合によっては、

「お二方」・「お三方」これは、若い人は、使用語彙ではないと言ってもいいでしょう。

「あなた様」もかなり丁寧ですし。

私も、二十代の頃は、初対面の年下の女の子に「お姉さん」と言われたことがありますが、年格好に合わせて、「おばさん」と言うのは、決して許されません。それを言ってもよいのは、子どもだけ(高校生ぐらいまで?)です。

ということで、「あなた」に言い換えることができない時は、ちょっと首をかしげながら、人差し指から小指まできちんと揃えて、相手を指し示すしかないのかもしれません。

 

と言うより、面と向かって、相手を話し相手として接する時は、会話の途中でも、

「あ、お名前、教えていただけますか」と言って、聞いてから会話を続けるのが、普通のことのようです。

「名前も知らない赤の他人」という言い方がありますが、日本語では、名前を知らないと、会話が出来ない言語なのかもしれません。

「名前なんか、あと、あと」というコピーの新興住宅街のテレビCМが、以前あったのを覚えています。

その住宅街に引っ越してきたばかりの子どもが、公園で、自然と仲間に加わっていく場面でした。名前を知らなくても、一緒に遊べるのは、やはり子供だけなのでしょう。

 

日本語クラスで、文型や表現の練習プリントをする時、

 

リン:サラさんは今夜の飲み会、行きますか?

サラ:私が言い出した会ですから、行       わけにはきませんよ。実は、体調が良くないんだけど。

サラさんが、第三者ではなく、「あなた」の意味だということが分かるように、上の文のように配慮しなければならないゆえんです。

同じく、

リン:サラさんは今夜の飲み会、行くかな?

トム:サラさんが言い出した会ですから、行       はずがないですよ。

のように、トムさんに、登場してもらって、会話の状況を学生にわかってもらう訳です。

 

彭さんは、「あの・・・、すみません」または「もしもし」などは、日本語独特な持ち味だと言っていましたが、同じ職場に外国人がいて、その人の自然な一言を聞けるのも、グローバルな職場の醍醐味だと思い、改めてありがたく感じています。

 

今日は、長期コースで日本語教師をしている神本がお送りしました。

 

写真は、夏草の中を走る「わたらせ渓谷鐵道」です。

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養成研究所はイベントがいろいろ

5月から養成研究所主催のイベントがいろいろスタートしました。

年間通じて、たくさんの方々に参加してもらえるようにイベントを企画していきます。

さて、5月には“外国人学生といっしょに浅草を歩こう 「浅草探索ツアー交流会」”の行いました。

地図を見てゲームをしながら、年齢の差など関係なく、グループで楽しく浅草を歩きました。

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6月は3つイベントを組みました。1つ目は、多国籍の学校だからできる「World Cafe」を企画。

いろんな国から来ている学生の国の言葉を学んだり、ゲームをしたり、おおいに盛り上がり

ました。日本人30名、外国人学生30名の参加がありました。実は、私の長男も大学の友達

と参加しました。

すご~~く楽しかったみたいです。

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2つ目は『落語で学ぼう!春風亭小柳師匠による「パフォーマンス基礎講座」』扇子を見る

目の動きや持ち方などでお箸になったり、刀になったりします。すごい!!

落語も聞くことができて、とても楽しい時間でした。

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6月最後のイベントは「ムスリムおもてなしセミナー in  浅草」です。浅草にあるSEKAI CAFE

でお店の料理を楽しみながらのセミナーでした。このお店は、ムスリム、ベジタリアン、

アレルギーなどに優しい、今浅草で話題の世界中の人が集うお店です。

日本はイスラム教徒(ムスリム)に関して、特に食習慣についての対応がまだまだで、

ムスリムの観光客が、実際困っているそうです。まずは、日本人である私たちが、

イスラムの信仰に基づく生活習慣、とりわけ食習慣について知ることが必要ですね。

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7月です。ヴェネツィア「カ・フォスカリ」大学Aldo Tollini 教授による「学習プロセスと漢字教育」

の特別公開講座がありました。広報開始から、申し込み、問い合わせがぞくぞくで、当日は

100名以上の参加がありました。非漢字圏の視点が分かった、目を育てるストラテジーの

具体的な練習方法はすぐに実践できるなど、たくさんの感想を頂きました。

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来月以降もまだまだ続きます~!!!乞うご期待!!!

寅さん、浜ちゃん

映画「男はつらいよ」と「釣りバカ日誌」の共通点は?

もちろん、コメディーです。ワンパターンの展開も重要です。そして主人公が(ちょっと世間から)ずれていること、マドンナがいること(「釣りバカ」ではサイドストーリー)、それから旅に出ること。一方は失恋に終わり、一方は恋が実る違いこそあれ、恋バナが絡みます。また、温かい家族、周囲の良好な人間関係の存在が背景にあります。

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しかし、日本語教育の側面からいうと・・・方言すなわち日本語のバリエーションに触れることができる点は見逃せません。描かれる方言は本物ではない(バーチャル)にしろ、学習者にとっては方言との貴重な接触機会です。もしかしたら、日本映画ほど方言を多用する映画は少ないのではないでしょうか。そう、日本映画は日本語の多様性を知る重要な素材になるのです。

そんな気づきを手にしながら、映画から日本語と日本社会を学ぶ授業を全9回実施しました。1日2本、作品の一部分を紹介しただけですが、それでも全18本。コメディー以外にも取り上げたのですが、特に寅さんと浜ちゃんは大人気でした。

ポイントは、シリーズのパターンを理解してもらうこと。そうすることで、1作品目より2作品目のほうがずっと理解が進み、ウケるのでした。共通するツボがあるのでしょうか。

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「寅さん」と並び「浜ちゃん」も、日本が誇るすばらしい映画、キャラクターだとの思いを強くしました。