来週から春学期がスタートします。
3月下旬、例年なら冬学期の最後には、学校からも歩ける距離にある上野公園でのお花見をおすすめしたりしてきましたが、今年は言及せず。それどころか、冬休み中あまり出かけないように注意して終わる、という異例の春休みでした。
私はここしばらく中級を担当することが多かったのですが、先学期は久しぶりに、一番下のレベル、その中でも一番下のクラス、つまりは本当にゼロから勉強を始める学生のクラスの担任になりました。そして、ひさしぶりに欧米の学生相手にカタカナの授業をしてみて、これまた久しぶりに思い出しました、「キャンディー」問題。
みなさんが「キャンディー」と聞いて頭に浮かぶのはどんなものでしょうか。両端をキュッとねじって包んである いわゆる「あめ」とか、大きい渦巻のペロペロキャンディーとか。とにかくきっと硬くて舌でレロレロしないと溶けて小さくなっていかないものを想像するのではないかと思います。
これが、特に英語圏(アメリカ?)の学生には、スムーズに伝わらない。なぜなら、彼らにはチョコレートもキャラメルもグミもガムもcandyだからです。アメリカ人だと、スニッカーズなんかもcandyでいいそうです。どうやら粉を使わない甘いお菓子?
日本語の「キャンディー」を教えるたびに、あれはキャンディーか、これはどうだ?となかなか先に進まないので、今回は過去の経験を踏まえ、私たちが考える「あめ」を数種類用意することにしました。コーヒーキャンディーとフルーツキャンディー、そして日本人なら…「カンロ飴」!ちょっと醤油の味もしたりして日本っぽいし、みんなに紹介するのにいいかもと思い、週末スーパーで調達していき、授業当日みんなに見せました。
せっかくなので、1つあげるよ、と言うと、コーヒーキャンディーかカンロ飴を選ぶ人が多かったです。私は子どものころから「カンロ飴」が大好きなので、彼らの反応を楽しみにしていたのですが…。
二人のフランス人がカンロ飴を手に取りました。一人はワインやチーズが好きなイメージ通りのフランス人。もう一人は納豆大好きで毎朝食べているフランス人。納豆大好きフランス人は、「おいしい!とてもおいしい!」満面の笑みでした。しかし、もう一人には口に入れて、右⇒左と口の中で移動した直後、オエっと吐き出されてしまい。そこまで嫌われるなんて…カンロ飴ラバーの私は、学生の前では笑いましたが、正直ちょっと悲しかったです。
同じ言葉を教える授業でも、学生が違うといろいろな反応や意見が違って、本当に興味深いです。
余談ですが、今回「あめ」のパッケージをいろいろ見てみて、新しい発見がありました。どのパッケージの裏を見ても、名称は「キャンディー」じゃなくて、「キャンデー」でした。社会的には、そちらが正しいんでしょうか?「キャンディー」で教えている身としては、ちょっと複雑な気持ちです。
教務の島崎でした。