世界の昔話

こんにちは。

3Fの日本語を教えていない方の田村です。

インターカルト日本語学校には主に長期コースとウィークリーコースがあります。

進学などのために四技能(聞く・話す・読む・書く)すべてを網羅する長期コースとは違い、ウィークリーコースは「話す」に重点を置いた授業をしています。

でも言語習得においては「読む・書く」も大切ですよね。

その部分を補うべく、ウィークリーコースでは「昔話」や「後輩へのアドバイス」を書いて廊下に掲示しています。

「後輩へのアドバイス」はいろんな国の学生の視点が見えて面白いのですが、「昔話」はツッコミどころが多くて大好きです。

今回は二つご紹介したいと思います。

写真だと字が読みにくいかもしれないのでタイプしますね。

 

①『お百姓さんと蛇』(タイ)

 

むかしむかし遠いいなかに親切なお百姓さんが買い物から歩いて帰っていた。

すると、道のはしに弱っている蛇がいた。

お百姓さんはその蛇をうちに連れて帰った。

そして、餌や水をあげるとだんだん蛇は元気になった。

蛇は元気になるとお百姓さんを噛んだ。お百姓さんはなくなった。

 

ほほえみの国、タイの「恩を仇で返す」お話でした・・・

1人で読んでいて、思わず「え~!?」と声を出していました。

 

 

続きまして・・・

②(おそらく)ロシアのお話

ある日おじいさんが死んで、四人の息子に遺産を残しました。四人の兄弟の中で一人はバカでした。彼は牛をもらって、その牛を売ろうとしました。

しかし、途中でぎしぎしという音をしていたかばの木に会いました。バカはその音が「牛を買いたい」という音だとかんちがいしてしまいました。バカは「値段は20ルーブルだ!それよりなら売らない!」と叫びました。もちろん、かばの木は何も言いませんでした。しかし、バカは「かばの木が今お金を持っていないようだ」と思って、牛をかばの木に結び付けました。「明日必ず払ってね」と言って、帰りました。

次の日にもどった時、バカは牛を見ませんでした。おおかみに食べられましたから。しかし、バカはかばの木が牛をぬすんだと思って、「あのね!かばの木、明日絶対に払えよ!払わないと、牛をもどして!」と言って、帰りました。

家で兄弟は「牛はどうだったの?売れた?」と聞きました。バカはかばの木に売ったと言ったら、兄弟はすごく怒ってしまいました。「本当にバカだな~」

悲しくなって、バカは山刀を持って、かばの木のところへ行きました。「ずるいよ、かばさん!お金はどこ?もうしょうがないな~。お前を殺すぞ!」と言って、木を切り始めました。すると、お金がいっぱい入ったはこがあらわれました。そこで、兄弟はお金持ちになりました。

 

めでたし、めでたし。

 

ロシアの昔話で「イワンのばか」というのを聞いたことがありますが、呼び名が「イワン」などの人名ではなくて「バカ」なのがなんとも言えない気持ちになります。ロシア語でも「バカ」を連呼しているのでしょうか。

さらに、この「バカ」と「かば」が同じ話に出てくるという素敵なコラボレーション。ロシア語でも「バカ」と「かば」という紛らわしい感じになっているんでしょうか。

 

次の新作が待ち遠しい3F田村でした。

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