今月はじめに、大事件が起きました。
大好な劇団が活動を休止してしまったんです。
劇団はほぼ私と同い年。3〇年間、演劇界の一線を走り続けてきました。私はそこ所属の演劇学校の卒業生で、卒業後もずっと、(ここの劇団員だったわけではありませんが、)たくさん役をいただいたり、目標だったイギリス公演に参加したり・・・日本語教師になるまで、ずっとお世話になっていました。このままずっと続いていくと思って疑わなかったなあ・・・。
このニュースを聞いて、劇団の演出家と振付師の先生のことを思い出しました。
演出家は若いとき、演出中、怒りのあまりに眉間のしわから血が出たというエピソードが伝説になるほどの厳しい方です。
いや~たくさん怒られました。
「つまんねーよ!吉永小百合(のような美人)じゃないんだから、とにかく面白くしろ!面白くなきゃ見る価値なし!」
この言葉、何度も叩き込まれたんですが、授業での大前提として、今でもめちゃくちゃ教訓になっています。
その演出家に、12年前の卒業公演の時にもらった言葉があります。
「これから先、色々な理由で演劇をやめていく人もいると思いますけど、ずっと、演劇を愛してください。」
私は今も演劇が大好きです。いつまでも何らかの形でかかわっていきたいです。
日本語の授業にも生かせることがきっとある!
演劇で学んだことをどんどんミックスしていけたらいいなと思っています。
例えば会話の授業。もっと演劇を生かした楽しい工夫ができるんじゃないかと考えるととてもわくわくします。少しずつでも挑戦していきたいです。
(イギリス公演の写真。赤毛のオレンジが私です。)
もう一人は、この劇団を通して、出会った振付師の先生です。
「役者は体の管理ができなきゃダメだ!」ということで、ゼロからダンスを始めたんですが、漫画の一コマかと思うほど、振り付けが変わるたびにみんなの前で一人だけ派手にすっ転んだり、一人だけトンチンカンな振り付けで悪目立ちしてしまったりを繰り返しており、出来なさ加減と劣等感とで、頭ぐちゃぐちゃになりながら、毎日レッスンに通っていました。
先生「あれ、背中きれいになったんじゃない!?」
先生「今日どうだった?頑張ってたね!またがんばろうね!」
わたし「ええ!うれしい。今日頑張って来てよかった!」
先生は、「モチベーションがた落ちの生徒」に不思議なくらい絶妙なタイミングで声をかけ、励まし、時には成長ぶりをほめてくれました。
くわえて、先生のクラスはエネルギーにあふれまくっていて、私みたいなド初心者でもめちゃくちゃ楽しいレッスンなんです。2時間あっという間!振り付けも(始めたころよりは)早く覚えられるようになったし、気持ちよく踊る余裕もできたし、何より苦手意識の塊だったダンスが大好きなれたのは、先生に何度も気持ちを前向きにしてもらって、続けてこられたからだと思っています。
ときどき、「先生だったらどうするかな」と考えることがあります。
私も、中々上手にならなくて悩んでいたり、モチベーションが落ちていたりする学生の気持ちに寄り添える教師になりたいです。そして、エネルギーと向上心にあふれていて、一人でも多くの学生に「楽しかった!明日も楽しみ!」と思ってもらえるようなクラスに・・・出来たらいいなあ!ほんとうに!
大好きな劇団も、解散ではなく「活動休止」。
終わってしまったわけではありません。あきらめずに復活を待ちたいとおもいます!
明日の授業も頑張ります!
(授業は反省も多いけど、毎日楽しいです)
田村理絵
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