映画「男はつらいよ」と「釣りバカ日誌」の共通点は?
もちろん、コメディーです。ワンパターンの展開も重要です。そして主人公が(ちょっと世間から)ずれていること、マドンナがいること(「釣りバカ」ではサイドストーリー)、それから旅に出ること。一方は失恋に終わり、一方は恋が実る違いこそあれ、恋バナが絡みます。また、温かい家族、周囲の良好な人間関係の存在が背景にあります。
しかし、日本語教育の側面からいうと・・・方言すなわち日本語のバリエーションに触れることができる点は見逃せません。描かれる方言は本物ではない(バーチャル)にしろ、学習者にとっては方言との貴重な接触機会です。もしかしたら、日本映画ほど方言を多用する映画は少ないのではないでしょうか。そう、日本映画は日本語の多様性を知る重要な素材になるのです。
そんな気づきを手にしながら、映画から日本語と日本社会を学ぶ授業を全9回実施しました。1日2本、作品の一部分を紹介しただけですが、それでも全18本。コメディー以外にも取り上げたのですが、特に寅さんと浜ちゃんは大人気でした。
ポイントは、シリーズのパターンを理解してもらうこと。そうすることで、1作品目より2作品目のほうがずっと理解が進み、ウケるのでした。共通するツボがあるのでしょうか。
「寅さん」と並び「浜ちゃん」も、日本が誇るすばらしい映画、キャラクターだとの思いを強くしました。