インターカルトは4学期制で、10月10日から秋学期がスタートしました。
私が新しく、クラス担任をすることになった中級中期のクラスで
「日本に来てわかったこと/外国へ行ってわかったこと」というテーマで作文を書きました。イギリスで思ったこと、エジプトで感じたことを書いた学生もいましたが、あとは皆、日本でわかったことを作文にしていました。「日本に来てわかったこと」とは、「来る前は知らなかった」ということで、つまり「日本に来てびっくりしたこと」を挙げていました。
①街にごみ箱がない。自動販売機は多い。
②電車が激しく混んでいる。
③夜遅くまでやっている飲食店がないので、おなかがすいた時、困る。開いているのはコンビニと居酒屋だけ。
④各地にいろいろなお祭りがあって、祭りの時の日本人はとても元気。特に「よさこい祭り」
などなど・・・
その中で、アメリカからの女性Мさんの作文には、「う~ん」と考えさせられました。
数年前に来日し、当時は現在に比べて、ほとんど日本語が出来なかったのに、時々「日本語が上手ですね。」と言われたそう。その時、どうして日本人はそんなウソを言うのかと不思議だったとのこと。最後にМさんは、「日本人は、外国人が日本語を話すのはとても難しいと思っている。その日本語を話している外国人にお礼が言いたくて『日本語が上手ですね。』と言うのだと、今はわかった。」と考察している。
なるほど。
日本語学習者であるインターカルトの学生が、学校の外で出会う日本人によく言われるのは、「いつ日本に来ましたか?」と「日本語が上手ですね。」だと聞いたことがあります。
日本語教師である私たちは、学習者にとって何が難しいかということを知っていることが、教える際の大いなる道具、いわば財産なのです。でも、日本語教師でない一般の方々が、「日本語は難しい」と思っているだろうことは、何となくわかります。日本に来る外国人が珍しかった時代を知っている年配の方は、殊更そう感じるのではないでしょうか。
だから、お礼を言いたくなるのでしょう。Мさんは、作文に「外国人にお礼をしたくて」と書いてありましたが、それこそ、気のきいた和菓子でも持っていればそれをプレゼントしたいぐらいの気持ちでしょうか。
インターカルトで学んでいる学生たちは、それぞれの目的を持って来日していますが、日本が好きと言ってくれる人が多いです。しかし、日本語には、めんどくさいと思われる文法や、数多い様々な語彙、そして読み方が多く、音変化もある漢字の読み、いろいろな覚えることがたくさん。日本語学習に果敢に挑戦している学生たちを敬服します。
Mさんは、「ウソ?お世辞?」とも書いていましたが、自分の母語を学んでくれることのありがたみを改めて感じた次第です。
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今日は、鉄道ファンの神本令子がお送りしました。