日本語教師は不足している?
日本語教師を目指しているあなたに聞きます。現在、日本語教師は足りていると思いますか。それとも不足していると思いますか。実は足りている現場と不足している現場にはそれぞれ偏りがあります。ここで詳しく見ていきましょう。
日本語教師が人手不足の現場とは?
日本では東南アジアからの外国人労働者の受け入れを促進しています。文部科学省の発表によると2018年5月の時点で29万8,980人の外国人留学生が滞在しており、前年に比べて3万1,938人増となっています。生徒の数が増加しているのに教師の数が増えていないため、日本語学校の現場において日本語教師が不足しているのです。そのため、多くの日本語学校が非常勤の日本語教師を採用している状況です。
日本語教師が飽和状態の現場とは?
日本語教師として働くうえで比較的条件のよい職場が「大学」、「国際機関」、「海外の大学」、「研究機関」など、専門性が高い環境です。そういった職場は大卒、大学院卒の日本語教師が主な対象であり、募集人数も少ないです。しかも一旦就職すると辞めることが少ないため、こういった上級の資質を持つ日本語教師に関しては飽和状態なのです。一般の日本語学校に関しても条件がよい職場は、欠員が出づらいといえます。
日本語教師が不足する原因
飽和状態の職場もあるものの、まだまだ不足している職場も多い日本語教師。日本語教師が不足している原因として挙げられるのが、ほかの職業と同じく少子高齢化と人口減です。それに加えて日本語教師特有の理由があります。それは文化庁が推奨する420時間講座の受講です。日本語教師には特定の資格というものは存在せず、日本語学校によっても養成講座のカリキュラムはまちまちです。そのうえで、文化庁は日本語教師の質の安定とレベルの向上を目的に420時間の講座を受講することを推奨しています。それぞれの日本語学校も日本語教師の募集要項に、この講座を修了していることを条件としているところが多いです。これをハードルとして高いと感じている方がいるのも事実です。さらに、外国人留学生の受け入れというのは国策に左右されます。今は東京オリンピックの影響もあり、外国人の受け入れを拡大していますが、10年後はどうなっているかわかりません。日本語学校としては長期的なビジョンを描きづらく、今年、来年といった短期的な計画に終始してしまうのです。
以上、日本語教師の現状についてお伝えしてきました。今後、日本語教師の質と地位を高めるために日本語教師の国家資格を設置する動きがありますが、日本語教師の不足にどれほどの効果があるのかは未知数です。外国人留学生の受け入れ数の安定化と、補助金等を設置しての日本語学校の財政状況強化も待たれるところです。
ただし、どんな状況においてもスキルのある日本語教師は重宝されるもの。日本語教師としてキャリアアップしていくためには学ぶことはたくさんあります。日本語に関する知識はもちろんですが、同時に教えるスキルについても勉強しなければなりません。インターカルト日本語学校では、現場で活躍できる日本語教師の育成に力を入れています。詳しく知りたいという方はこちらのインターカルト日本語学校をチェックしてみてください。