日本語教師になるための実習の内容とは?
日本語教師になるには、座学で知識や理論を学ぶだけでなく、実際に教壇に立つ「実習」がありますが、実習はどのような流れで行われるのでしょうか。具体的な実習の流れや、実習をより有意義なものにするためのコツをご紹介します。
実習の目的とは
日本語教師として一人前になるには、日本語教育に関する様々な知識や理論を身につけて教壇に立つ必要があります。しかし、知識や理論ばかりでは、日々変化する教育環境に対応することができません。そのためには理論だけでなく、実践的な指導ができるスキルが求められます。実践的な指導といっても、「型」にはまった形式的な授業を模倣するのではなく、教師が自ら生徒にどのように教えるか、そのシナリオ(教案)を考えて授業の流れをシミュレートした上で指導することが必要です。そして、そのフィードバッグを別の講師から受けることで、現場での適切な判断や対処法を学ぶのです。こうした実践的な指導力を身につけるために実習は行われます。
実習の流れ
●授業見学
>本番の授業の様子を客観的に見学します。時に授業アシスタントとして、実際の授業に参加することもあります。生徒と直に接することで、教える感覚や教え方のコツを身につけます。
●実習の準備と実習
自分で教える際の流れをスケジュール化した「教案」を作成します。教案に従って実際に授業を行い、その後フィードバッグをもらいます。
この一連の流れを、担当講師の指導の下で行います。さらに詳しい流れは以下の通りになります。
- 学習項目の考察
- 教案の作成
- 学習項目の考察
- 担当教師による個人指導
- 実習
- 実習の反省と考察
- 修了レポートの作成
実習を受けるときに必要な準備や心得
実際の授業を通して、生徒の反応を知ることができるので、どのように指導すれば、効果的に学習してもらえるかが分かります。ボイスレコーダー等の録音機を使い自分が話した内容やベテラン講師の授業内容を録音しておくと、フィードバッグをもらった際に、どこの部分を修正すべきか、後から振り返ることができます。また、ベテランの講師の授業を録画したビデオが閲覧できる場合は積極的に活用しましょう。ベテラン講師の教案もプリントして渡されるので、自分が教案を作るときの良い参考にもなります。実習における最大の学びは、ベテラン講師の教え方を身を持って習得できることです。音声や映像、共有された資料を活用しながら、振り返りを行うことで、自分の指導スキルも向上させていきましょう。
日本語教師になるには、知識や理論を身につけることも大切ですが、指導経験が豊富なベテラン講師の教え方を「真似をする」ことが一番の近道です。ベテランの教え方と、自分の教え方の「差」はどこにあるのか、振り返って考察することが肝心ですので、今回紹介した実習で効果的に学ぶコツを取り入れましょう。