日本語教師として持っておきたい本とは
日本語教師として働くのであれば、常に学び続ける意識が重要です。その際に役立つのが日々の読書。
「日本語教師を目指しているけど、何か読んでおくべき本はあるの?」
「日本語教師になったら持っておきたい本はなに?」
このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。ここでは日本語教師を目指している方と、すでに日本語教師の仕事をしている方に向けて「読んでおきたい本」を紹介していきます。
日本語教師になるために読んでおきたい本は?
まずは日本語教師を目指している方に向けて、読んでおきたい本を紹介していきます。日本語教師になる方法はいくつかありますが、もし独学で目指すのであれば本を読んで勉強しておくことは必須になるでしょう。
『みんなの日本語初級』
日本語教科書における定番の1冊です。こちらの本は、日本語教育業界ではシェアナンバーワンの教科書になるため、多くの日本語学校で授業に使われています。外国人が日本で暮らしていくうえで覚えておきたい文型や語彙が網羅されているため、日本語教師になる前にはもちろんのこと、日本語教師になってからも重宝する1冊になるでしょう。教案を考えるときなどの参考にもなります。
『日本語文法ハンドブック』
初級レベルで取り扱われる文法を網羅的に取り上げて分類し、簡潔に解説した1冊になります。索引が非常に使いやすいこと、日本語教育で対象になる文法が網羅的に記載していることが大きな特徴です。ただし、あくまでも文法の解説本になりますので、それは理解しておきましょう。基礎を固めるためには手元に置いておきたい本です。
『どんなときどう使う日本語表現文型辞典』
こちらは日本語能力試験におけるN1~N5の重要表現が網羅されている1冊です。それぞれの意味や使い方などを分かりやすく例文付きで解説しています。様々な語学力に対応できる内容になっている点も便利なところです。さらに、英語や中国語、韓国語の翻訳も付いているので、生徒におすすめすることもできる1冊になります。
日本語教師になった人が読んでおきたい本
続いては、実際に日本語教師として働いている方が読んでおきたい本について紹介します。
『新人日本語教師のためのお助け便利帖』
タイトルのとおり、日本語教師になりたての方に向けたお助け参考書です。こちらについては、『新人日本語教師のための授業づくり練習帖』もあります。いずれも、日本語教師の抱える「語彙説明が上手にできないこと」や「生徒からの質問に答えられない」、「テストの作り方が分からない」などの新人教師が抱えがちなお悩みについて、具体的な解決策が分かる本です。日本語教師としての経験が豊富な方にもおすすめになります。
『日本語誤用辞典』
外国人生徒の誤用などから得たヒントや指導のポイントをまとめた辞典になります。新人日本語教師の場合、生徒の誤用について原因が分からないケースが多々あるでしょう。こういった状況において役立つ1冊です。生徒の誤用を分析し、そこから授業を改善していくヒントを得ることができるのです。つまり、生徒目線で日本語について理解できる本になります。
『初級日本語文法と教え方のポイント』
初級の日本語文法を教える際に必要になる文法項目を網羅した内容になっています。学習中によく間違えるポイントを詳しく解説してあるので、授業前にチェックしておくと文法の指導がスムーズになるでしょう。文法の解説はもちろんのこと、実際に日本語を教える際に注意すべきポイントも紹介されているので、前述した『日本語文法ハンドブック』よりも実践的な内容になっています。
本をたくさん読めば独学でも日本語教師になれる?
日本語教師を目指している方の中には「本を読んでしっかり勉強すれば独学でも大丈夫?」という疑問を抱えている方もいるかもしれません。結論としては、独学でも日本語教師になることはできます。そのためには日本語教育能力検定試験の合格する必要があります。試験の情報については「JEES日本語教育能力検定試験」をご確認ください。ただし、この試験に独学で合格することは決して簡単ではありません。平成30年度の日本語教育能力検定試験の受験者数は6,841人でしたが、合格者は1,937人。つまり、合格率は約28%ということになります。合格することの難しさはお分かりいただけるのではないでしょうか。読書をしただけで合格するのは難しいかもしれません。
おすすめは日本語教師養成講座を受けること
これから日本語教師を目指すのであれば、日本語教師養成講座を受ける方法がおすすめ。日本語教師養成講座では、通算420時間以上の授業を受けることになります。この授業によって日本語教師としての総合的な能力を身につけることができます。日本語の知識はもちろんのこと、日本語の教え方まで学ぶことができるのです。「教えるスキル」まで身につけられることは、日本語教師として働くうえで大きな武器となります。インターカルト日本語学校では、現場で活躍できる日本語教師の育成に力を入れています。その就職率は95%。就職先の中にはインターカルト日本語学校や海外提携校もあります。また、20年以上の経験を持つベテラン講師が合格のお手伝いをします。情報の詳細を知りたい方はこちらの個別ガイダンス・体験セミナーお申し込みをチェックしてみてください。
いかがでしたでしょうか。本をたくさん読んで勉強することは日本語教師を目指すうえで非常に大事です。しかし、それだけでは、実際に現場で活躍するアウトプット力までは得ることは難しいかもしれません。将来のことを考えるのであれば、独学よりもしっかりと講座を受けることが望ましいでしょう。そのうえで自習用として本を持っておくことをおすすめします。