日本語教師が国家資格化する?
特別な資格がなくても働くことができる日本語教師の仕事。それぞれの日本語学校が独自に定めた養成課程や、文化庁が推奨する420時間の授業の履修を完了すれば、日本語教師として活動することができます。しかし、今後は国家資格が設けられる可能性があります。それでは、なぜ資格を設ける動きが出ているのでしょうか。ここで見ていきます。
日本語教師国家資格化とは?
近年の在留外国人の急増や外国人労働者における受け入れの強化を受けて、日本語教育の必要性が高まっています。すでに日本に在留している外国人労働者などに対して、質の高い日本語教育をおこなうことは、社会的格差の是正につながります。また、外国人労働者を積極的に受け入れるにあたって、日本語教師の数が足りていないという現状があります。2018年度の文化庁調べによれば、現状、4万人程度の日本語教師が活動している中で、専業の日本語教師は5,000人程度に過ぎません。ボランティアの日本語教師が全体の約23,000人を占め、残る12,000人程度は非常勤講師です。専業の日本語教師が圧倒的に少ないという理由には給与の安さがあります。こういった現状を解消するために、国家資格を設けることでの日本語教師の地位、質の水準の向上を図るのです。
日本語教師の今後
日本語教師の国家資格化については確定したわけではありません。あくまでも現状では特別な資格は必要ないので、特定の日本語学校に所属していない、ボランティアの日本語教師やオンライン日本語教師に関しては、経験やスキルがわからない状況なのです。もちろんその中でも質の高い日本語教師は存在しますが、受講する生徒が安心して受講するためには、明確な判断基準があったほうがよいでしょう。そのため、今後重視されるのは、現場での教育実習です。教育機関で実際に教壇に立ち、日本語教師としての経験を積んで、その人物に資質があるか見極めることが必要であるといわれています。
日本語教師の国家資格化の行く末は
日本語教師の国家資格化は、2019年度内に法案を提出するための準備のための有識者会議や意見交換会を進めている状況です。実際に施行されるのは2020年度以降という見込みになっています。現状の民間日本語学校が独自におこなう日本語教師認定試験の合格率は、25%程度であるといいます。ここから大幅に難易度が上がる可能性は低いといわれていますが、どのような認定基準になるのかまだ定まっていない状況です。そのため、現状で日本語教師を目指す方は、今のうちに民間の資格を取得しておくのも1つの手です。すでに民間の認定を受けている日本語教師の場合、施行後に何らかのアドバンテージをもらえる可能性はあるからです。
いかがでしたでしょうか。ここまで、日本語教師の国家資格化について見てきました。今後、必要とされるのは現場で活躍することのできる質の高い日本語教師です。インターカルト日本語学校では、長く活躍できる日本語教師の育成に力を入れております。なんと、その就職率は95%!20年以上の経験を持つベテラン講師が、あなたの合格をお手伝いします。詳しく知りたいという方は日本語教育能力検定試験対策コースをチェックしてみてください。