自分のこれからと重ね合わせて、
深く考えさせられることの多かったこの週末、金曜と土曜でした。
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金曜日の18:30から、
国立社会保障・人口問題研究所の是川夕さんが編集長を務める
『日立財団グローバル ソサエティ ジャーナル』が関わる、
「Journey to be continued-続きゆく旅-」の上映会に。
これから日本で生きていく人誰もが、つまり、まずは日本人が、
こういうもの・ことに触れて、知って、考えてほしい。
今、私は、持ち歩いている名刺に、
「「人と人、人と社会を言葉でつなぐ」をライフワークに。」
というメッセージを記し、おそらく息巻いているのだけれど、
根本から覆されたような、複雑な気持ちに襲われました。
これは、誰よりもわかっていると自負しているであろう、
日本語教師や日本語支援者の方にも見て、そして自らの
振り返りをしてほしい映画だとも強く思いました。
是川さんが編集長を務める、
『日立財団グローバル ソサエティ ジャーナル』Vol.2の、
「個から考える多文化共生」と題された星野ルネさんへの
巻頭インタビュー記事の中で、是川さんがルネさんの漫画から
引用したセリフ「子どもが泳ぐには多様性の海は深すぎる」は、
直前に見た映画にそのまま重なり、ぐさっときました。
日本語教育機関認定法に重ねて言うなら、留学、生活、就労の、
留学以外は、知って考える場を提供することしかしてこなかった
自分には、自ら直接その「海」に手を下すことができないので、
じゃあ、何をどう。私が名刺のメッセージに近づくための課題です。
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そして、昨日の土曜日は、
文科省の委託、現職日本語教師研修プログラム普及事業、
「生活者としての外国人」に対する日本語教師【初任】研修の
事前オリエンテーションでした。
文化庁時代から数えて、この生活者事業の受託は15年目。
今回は初めて、6名の聾者の方が受講生として参加しています。
手話通訳の方に入っていただいてしたオリエンテーションは、
通訳者の交代の切り替えなども問題なく終了したようです。
手話は独立した言語体系を持つ一つの言語。
2008年に発効された障害者権利条約で「言語」として定義、
国際的に認知された手話は、日本でも法律にそう示されています。
詳しいことは、主催する日本語教員養成研究所が発信していくと
思うので、そちらに譲りますが、法律に定められるずっと前から、
聾の学ぶ方と聾の教える方がいた。そのことを今、改めて、
再認識したことに、私自身は小さく小さくなる思いでした。
以下は、私のスマホのフォルダにあった私が撮った花の写真。
いろんな国で撮ったいろんな花があるけれど、みんな「花」です。
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最後に余談。
上に書いた是川さんの記事の中に、星野ルネさんが、お父さんから
「見た目が外国人だから、他人の倍、努力して、やっと一人前の
扱いをされるんだよ」と言われた、ということが書かれていました。
ここを読んだ時、女である自分もそうだったと思ったことをちょっと。
人の百倍やってようやく男と同じスタート地点に立てる(かもしれない)
んだと、就職した時に知ってショックを受けた世代です。
ついこの間聞いた、私より一つ年上の日本語学校経営者のMs.Y先生の、
新卒で入った大手ゼネコン企業での、入社の辞令が人事部長名だった、
という話。同期の男子たちは社長からだったのにと。
だから私たちは、性別に関係なく実力勝負ができるこの仕事を選び直し、
そして、こんな強い役回りを担っているのかもしれないなあと思った。
・・・ことが余談です。人はその立場になってみないとわからない。
・・・以上、今日は話が長かったです。