• 043月

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    (旧 台湾事務所のカウンター)

    猫たちは何を招き入れようとしているのか。
    オリンピック選手? 留学生? 働く人? 観光客?

    私たちに、継続的、恒常的な安定はありません。
    不安定と不安定の隙間にたまに安定があるって、そんな感じ
    じゃないかと確信したくなるほどの、特にこの一年です。

    あの新聞どこにしまってあったっけ?と思って探したら、
    本棚の本と本の間に、他の新聞と一緒にがさっとありました。
    「日本経済新聞」2002年4月10日の夕刊。
    ドキュメント挑戦 日本語教育の新世紀…⑧
    「新校長、世界にらむ」というタイトルの脇に私の写真。

    探していたのは「ドラスティック」という言葉です。
    「・・・日本語の需要が政治、経済の変化でドラスチックに
    変わることを身をもって学んだ」と記事にありました。
    学んだのは私です。
    1996年のあのときは、アジアの通貨危機でした。

    今また、政治でも経済でもないものから学んでいます。
    学ぶのもう十分、もう結構なんですが。
    「ドラスティック」(記事ではドラスチック)という言葉、
    この、取材を受けたときの記事で初めて知りました。
    ドラスティック:徹底的で激烈なさま。(大辞林)

    記事を書いたのは、当時、日本経済新聞の編集委員で、
    現在は、国際教養大学名誉教授の勝又美智雄さんです。
    日振協でご一緒する勝又さんとの出会いもここからです。

    記事の最後に、
    「「日本語人口を世界に増やしたい」と構想を練っている」
    とあります。練っていたのは私です。

    今も練っています。
    練っているのですが、嗚呼、寝落ち寸前zzz… また明日。

  • 033月

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    今日の文は少し長いですが、
    これからの日本語教育どうなるの? 国はどう進めていくの?
    文化庁の協力者会議って何なの? どうなるの?と思っている方は、
    最後まで読んでいただけるとありがたいです。
    いえ、読んでください。ぜひ。

    まず、タイトルの「留学」「就労」「生活」は、
    今、文化庁が設置する協力者会議で話し合われている
    日本語教育機関の類型化の「案」として示された三分類です。

    元々この会議は、日本語教師の資格(公認日本語教師)について
    を検討項目として、去年の7月に始まりました。
    そして第2回が、その後半年の期間をおいて開かれ、そこで新たに
    日本語教育機関の類型化という検討項目が加わりました。

    なぜ項目が追加されることになったのか、というのが疑問として
    浮かぶのではないかと思います。それについて書きます。

    それは、公認日本語教師という新たな資格創設にあたっては、
    公認日本語教師とそれに付随することの定義が必要となるからです。
    そもそも公認日本語教師って何の仕事をする人なの?
    公認日本語教師が働く場にはどういうところがあるの?
    そして、働く場となる日本語教育機関って具体的にどこどこなの?
    と、そういうことを明らかにする必要があるということになって、
    それでこの項目が追加された、という経緯です。
    (そう、そう簡単に法律を作るってあり得ないのですよね。)

    この、公認日本語教師が働く場が、
    例えば留学、例えば就労、例えば生活者を対象とした機関です。
    では、それらを明らかにすると、どういうことに繋がるのでしょうか。

    まず、それぞれの機関の目的別分類が見える化されます。
    それによって、日本語を学びたいと思う人が、
    自分が必要とする学習の場や機会を適切に選択できるようになります。

    では、見える化させるものは何か。というと、それは当然のことながら、
    提供される教育の内容ということになります。
    しかし、ただ何でもかんでも内容を並べればいいというものではない。
    並べる教育がちゃんとしたものだという「質の保証」が必要になります。

    以上のような流れで、
    日本語教育機関の範囲と評価、日本語教師の資格の論議を合わせて、
    この会議で話していきましょう、ということになったという流れです。

    話を元に戻して、留学、就労、生活という分類についてですが、
    私たちが担う留学は、ビザという在留資格を伴うため、すでに法務省の
    告示基準等の法律と共に在るけれども、
    就労や生活は、その基準の中で考えるられるものではなく先例もない。
    だったらまずは留学から考えるのがいいのではないか。

    …というのが、前回、第3回までの流れです。

    今、決めるべきことは決める。進めるべきことは進める。
    だけれど、コロナ禍で先の見えない今、
    拙速に事を進めるべきではないということも同時に強く思っています。

    以上が、先週の金曜日に、改めて書きますねと言ったことです。

    写真は2011年、東日本大震災の数日後の卒業式。
    ほとんどの学生が母国に緊急帰国する中、
    親御さんからの「帰ってきて/きなさい」という声を振り切り、
    卒業式まではと残ってくれた学生たちと一緒に撮りました。
    泣く泣く国に帰った学生たちのことも頭に置いて臨んだ卒業式でした。

    留学という人生の一大事に関わる私たち、
    日本を選んで学んでくれる留学生たちのために、必要なことは何か、
    どうあるべきか、ということをまず考えたいと思います。
    協力者会議の今までと今後の行方、こちらで見られます。

  • 262月

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    長い一日でした。
    朝一で「日本語教師の資格と日本語教育機関の類型化・範囲に
    関する調査研究協力者会議」がzoomで。
    それに学校から参加するため、混雑を避けて京王ライナーで。
    府中6:46発、新宿7:10着。そのまま学校に行っても…なので、
    新宿のいわゆる喫茶店でモーニングセット。こんなの久しぶり。

    朝一の会議の後、会議だの会議だの会議だのの後の最後の会議、
    本当に申し訳ありませんでした。すっかり忘れてしまった。
    今朝、自分で海外2カ国に声をかけて招集したのに、すっかり。
    許していただきました。

    一昨日くらいの出来事だったと思える今朝の会議のことは、
    また改めて書きます。

    明日は「海外に赴く日本語教師初任研修」(文化庁)の最終回。
    私はいつも、初回と最終回担当。がむばります。

  • 242月

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    (YouTube ことばの教育にかかわる人へのインタビュー)

    昨日、早稲田の細川先生から、
    「こんなのもあります。よろしく」とYouTubeのリンク先がポンと
    送られてきました。細川先生、久しぶり。

    日本語教育学会のホームページによると2004年、
    会員研修と実践研究発表会が統合されて、実践研究フォーラムが
    初めて行われた年の委員会が、細川先生との初めての出会いでした。
    前年度までで委員を退任された京都日本語学校の西原先生から
    (義務やルールではなく、日本語学校の存在感を示すという意味で)、
    「日本語学校の人が委員として入っていなければいけないの」
    と言われて、ほとんど何も考えずに引き受けたのでしたが、
    「おお、久しぶり」「ここでも一緒になったわね」等々と言いながら
    委員会の部屋に入ってらした大学の先生、関連機関の方たちを見て、
    え?私、誰も知らない! とんでもないところに入ってしまった、
    と思っても後の祭りの、その委員会の委員長が細川先生でした。

    感想の観点が違うかもしれませんが、細川先生の深く熱い思いを受け、
    反論も含めた議論をしながらそれに応えていた委員の皆さん、
    その中で生まれ、育っていったように見えた一体感、
    委員としては超微力ながら、そこに自分がいたという経験は、
    その後の私の組織への臨み方に多分に影響を与えた…と思っています。
    まさに先生がおっしゃる(…でいいですか?)対話の中で考える。

    昨日のYouTubeでのインタビュー番組では、
    細川先生の、変わることのない生き方、考え方に久しぶりに触れました。
    ソクラテスが言った、well-being=善く生きるとは、
    善と書くけれど悪の反対ではなく、十分に、十全に生きるということと。

    あの頃はこういう、新たな第一歩がたくさんあったのだったなあ、
    ということを思いがけず思い出させていただきました。
    嗚呼、初心忘るべからず。今も変わらず熱い細川先生に感謝です。

    今、自分がしようとしている、人と人、人と社会をつなげるということ、
    そして、言葉を学ぶことが人生を豊かにするんだ、という信念、
    それらを大事に、私はこれからも粛々と生きていこうと思います。

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    長くなりついでに、
    日本語教育学会のシンポジウムデビュー、2002年のころ。若かった。

  • 212月

    【日本語教師の資格と日本語教育機関の類型化・範囲に関する会議】

    自分が日本語教育に携わって30余年、世の中の変化の波に乗り、
    しかし一方で翻弄されながらの日々だったと振り返って思います。
    そして今のこの動きは、これから100年待ってもこないほど大きく重い、
    重要な「事」であることは間違いないと強く思っています。
    コロナ禍で先の見えない今、拙速に事を進めることは後に禍根を残します。
    しかし、決めるべきことは決める、進めるべきことは進める、
    それを今しなかったら、今は100年待ってもこないと思うのです。

    縁あってこの会議に関わっています。今を踏まえつつ未来を見ます。
    報道や人からの話ではなく、ご自身の耳で聞き考えていただきたくために、
    お時間がある方はぜひご視聴ください。
    振り出しに戻った感はありますが、
    だからこそまだ話し合う余地のある今だと思っています。

    日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議(第3回)
    1 日時  令和3年2月26日(金)9:30〜12:00
    2 場所  WEB会議
    3 議題  (1)日本語教育機関の類型化及び範囲について
          (2)公認日本語教師の資格について
          (3)その他

    (以下、文化庁国語課より)
    今回の会議につきましては、新型コロナウイルスの拡大防止のため、
    WEB会議として開催いたします。
    当日の会議の模様は、事前に傍聴登録された方を対象に、
    YouTube 文部科学省公式動画チャンネルにてライブ配信を行う予定です。
    傍聴を希望される場合は、2月25日(木)12時までに、
    傍聴登録フォームにて御登録をお願いします。
    事前に傍聴登録された方に対しては、
    2月25日(木)中に接続先URL等をメールで御連絡いたします。

    参考:協力者会議の今までの流れ→こちら

  • 062月

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    名古屋と言ったら味噌カツ。
    今まで何度か、味噌カツを食べに一人新幹線に乗って。
    こういうの、なんとなく贅沢でしょ。

    なぜ味噌カツかというと、向田邦子のエッセイで読んだから。
    そこに書かれていたのは岐阜羽島の駅の味噌カツで、
    その、なぜか中学の修学旅行のときに降り立った岐阜羽島に、
    最初のうちは食べに行っていました。

    で、あれ?もしかしたらと思って「向田邦子 味噌カツ」と
    googleで検索したらやっぱり、私のブログが上から二番目に。

    で、話は味噌カツではなく、
    文化庁事業の一環で行う「多文化共生社会を考える公開セミナー」、
    明日は東海ブロック、名古屋の皆さんが主催するセミナーです。
    毎回「生活者としての」という視点で考えてきていますが、
    就労者、難民に続いて、今回のテーマは外国人児童。

    申し込み、今からでも間に合います。どうぞご参加ください。
    →詳細もこちら。今もうすでに400名近い方が参加予定です。

  • 281月

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    今日は日振協のトップセミナー、オンライン開催。
    …ですが、私はちょっと出番があって、品川の会場で参加。

    入管庁と文化庁からのお話、特別講演の前駐ベトナム日本国大使のお話、
    最近、こういう機会があまりなかったので、なんだかちょっと新鮮な気分。
    そして、国立社会保障・人口問題研究所の是川夕さんのお話、
    タイトル「新型コロナ・パンデミック、及びグローバルな人の移動を
    踏まえた日本語学校の今後の役割」、特別真剣に聴き入りました。

    日本語学校や外国人、
    ごくごく一部の非常に目立つよくない部分だけがクローズアップされて、
    あたかもそれが全てであるかのような悪い印象を世に植え付けられることが
    不条理に多い。多くはマスコミによって。
    しかし、一つ一つの事実を数字の裏付けをもって読み解いた結果のお話、
    なんだかとても強い力を得たような気持ちになりました。

    奇しくも昨日、
    勘ではなく実際の数字で算出しておくことが重要であること、
    そうすると、力の入れどころが明確になる、と言われて、
    なるほどそうだなと思ったばかりだったので、なおさら強く納得。

    勘と勢いで生きながらえてきた私としては、遅ればせながらですが、
    少しでも数字でものが言えるようになれたらいいなと。

    写真は今日、いきなり喋り出した私のアップルウォッチのSiri。
    決断力じゃなく、疲れて思考力があまりありません、なので、
    今日の是川さんのお話の反芻はまた日を改めて。

  • 251月

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    今日の会議は第二回でしたが、
    新たな議題が加わったため、ある意味キックオフでした。
    我がスマホにたまった写真、
    さすがにキックオフで検索しても写真は出てこず、
    ボールと入れたら、ほかのボールに混ざって金の卵が。

    今日も一日お疲れ様でした。なんだかほわんと疲れました。

  • 241月

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    「業態」という言葉について、
    今までかなり無造作に何も考えないで使ってきたなと、今朝、気づきました。

    「業態」とは「小売業や外食産業などの商業で使われる、顧客のセグメント・
    対象とする生活場面・その来店頻度などによる分類」とネット上にあります。
    「例えば小売業の業態には小売店・コンビニエンスストア・スーパーマーケット
    ・百貨店・セレクトショップ・ネットショップなど」がある。なるほど。

    小売業や外食産業でなくても、
    どのような戦術や戦略、営業方法でビジネスを展開するか、利益を上げるか…と
    考えることは、とても重要なことですよね。

    日本語学校における「業態」。
    いやいやそもそも、と教育をビジネスの線上で考えることに否定的な方もいる
    かと思いますが、教育もビジネスの視点を持たなかったら、自己満足に陥る危険、
    さらには、自分のしていることの淘汰に自ら進んで出るようなものだと思います。

    タイの長谷川さんのブログから、勝手にバトンを受け取って書いています。

    >「いかに我々は「業態」に対して試行錯誤してこなかったか」
    >「語学だけでなく、すべての勉強は、もっと美味しくなる必要がある」

    これらに大いに賛同しながら、敢えて異を唱えるなら、
    食べ物の目的は、腹を満たす
    ことばの目的は、身につける
    料理と語学、いや、食べ物とことば、目的はこれなのかなあと。

    ことばを身につけることはゴールではなく、ゴールはその先にある。
    次のステップに進む、願いや希望に近づく、人生を豊かにする。
    そう、それが美味しさで、そのために学び、我々はそれを提供する。

    そうか、その美味しさの分類が日本語学校の「業態」?? ん?

    すみません、夜も更けてまいりました。今夜はこの辺でお開きということで。
    明日は重要な会議に出席することになっています。
    公認日本語教師の資格と、日本語教育機関の類型化とその範囲を話し合う
    文化庁が主催する調査研究協力者会議。

    奇しくも、(いや、ふと思っただけですが)、
    この会議の二つ目の議題と、長谷川さんが提起したここでのこの話、
    とっても近いことなんじゃないかと。
    ああ、私の思考回路ではそれこそ同じ線上にあります、これとこれ。

    上の写真は2020年2月、コロナ渡航制限ギリギリのところで行ったバンコク。
    2020年最初で最後の出張、そして最後の海外での会食…です。

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    ついでに、インターカルト日本語学校の創立40周年記念大同窓会の動画
    ここに載せてほんとにお開きに。長谷川さんも出ています。
    この40年の積み重ねの過程で、私たちは私たちの業態を模索してきた、
    今目指そうとしている私たちの形、コロナを経たことでさらに明確になった、
    それが、ああ、そういうことかもしれないと、今思いました。

  • 211月

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    「さむ〜い死語なら『もんじろう』」というサイトにあるので、
    「頭がウニ」は、今の言葉ではないのかもしれないけれど、
    今日の脳みその状態がまさにそうだと思ったので、頭がウニ。

    今、日本語教育の世界は大きく変わる可能性の真っ只中、
    日本語教師も日本語教育機関も。
    そしてアフターコロナ、日本語学校はどうなっていくのか、
    誰がどうまとめていくのか、というのも大きな課題。
    さらに、まさに私たちの学校の新しいコースやプログラム、
    ちゃんと軌道に乗せなくちゃ。

    そういうことの全てとちょっとずつ関わっているため、
    今日はそれらに追われて、それで頭がウニです。