• 211月
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    留学生の論文指導をしている方とやり取りしていて、
    突然、『言葉とは何か』(丸山圭三郎)という、
    去年買ったままの本があったなと思い出したので、
    今朝かばんに入れて行き、電車の中で第一章を読みました。

    アジアの学生と日本の学生たちが、それぞれの国の
    ポップスや民謡を翻訳し合ったという話がありました。
    その翻訳作業が困難を極めたという話です。
    大変だったのは文法などではなく、
    文化そのものの違いだったそうです。

    (引用)——
    たとえば、かぐや姫が歌ってヒットした「神田川」を
    マレー語に訳したマレーシアの留学生には、
    まず「風呂屋」という語が翻訳不能だったし、
    「同棲」は母国では恥ずべき行為。
    まして「洗い髪が芯まで冷え、小さな石鹸がカタカタ鳴る」
    まで待たされた女が、
    「あなたのやさしさが怖かった」などと言うその心情は、
    マレーシア人には到底理解できなかったと言っています。
    ——

    日本語を教えるということも、昨今の自動翻訳機も、
    冒頭の論文を書いている留学生も、
    問題や課題は、つまりこういうことかな、と思った、
    第一章でした。
    ことばと文化は切り離せない。でもイコールではない。

    写真は昨日、代々木のオリンピック記念青少年センターの
    窓から見えた、赤い夕日と遠くの富士山。
    ことばと文化です、今の興味とテーマは。

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