今日の文は少し長いですが、
これからの日本語教育どうなるの? 国はどう進めていくの?
文化庁の協力者会議って何なの? どうなるの?と思っている方は、
最後まで読んでいただけるとありがたいです。
いえ、読んでください。ぜひ。
まず、タイトルの「留学」「就労」「生活」は、
今、文化庁が設置する協力者会議で話し合われている
日本語教育機関の類型化の「案」として示された三分類です。
元々この会議は、日本語教師の資格(公認日本語教師)について
を検討項目として、去年の7月に始まりました。
そして第2回が、その後半年の期間をおいて開かれ、そこで新たに
日本語教育機関の類型化という検討項目が加わりました。
なぜ項目が追加されることになったのか、というのが疑問として
浮かぶのではないかと思います。それについて書きます。
それは、公認日本語教師という新たな資格創設にあたっては、
公認日本語教師とそれに付随することの定義が必要となるからです。
そもそも公認日本語教師って何の仕事をする人なの?
公認日本語教師が働く場にはどういうところがあるの?
そして、働く場となる日本語教育機関って具体的にどこどこなの?
と、そういうことを明らかにする必要があるということになって、
それでこの項目が追加された、という経緯です。
(そう、そう簡単に法律を作るってあり得ないのですよね。)
この、公認日本語教師が働く場が、
例えば留学、例えば就労、例えば生活者を対象とした機関です。
では、それらを明らかにすると、どういうことに繋がるのでしょうか。
まず、それぞれの機関の目的別分類が見える化されます。
それによって、日本語を学びたいと思う人が、
自分が必要とする学習の場や機会を適切に選択できるようになります。
では、見える化させるものは何か。というと、それは当然のことながら、
提供される教育の内容ということになります。
しかし、ただ何でもかんでも内容を並べればいいというものではない。
並べる教育がちゃんとしたものだという「質の保証」が必要になります。
以上のような流れで、
日本語教育機関の範囲と評価、日本語教師の資格の論議を合わせて、
この会議で話していきましょう、ということになったという流れです。
話を元に戻して、留学、就労、生活という分類についてですが、
私たちが担う留学は、ビザという在留資格を伴うため、すでに法務省の
告示基準等の法律と共に在るけれども、
就労や生活は、その基準の中で考えるられるものではなく先例もない。
だったらまずは留学から考えるのがいいのではないか。
…というのが、前回、第3回までの流れです。
今、決めるべきことは決める。進めるべきことは進める。
だけれど、コロナ禍で先の見えない今、
拙速に事を進めるべきではないということも同時に強く思っています。
以上が、先週の金曜日に、改めて書きますねと言ったことです。
写真は2011年、東日本大震災の数日後の卒業式。
ほとんどの学生が母国に緊急帰国する中、
親御さんからの「帰ってきて/きなさい」という声を振り切り、
卒業式まではと残ってくれた学生たちと一緒に撮りました。
泣く泣く国に帰った学生たちのことも頭に置いて臨んだ卒業式でした。
留学という人生の一大事に関わる私たち、
日本を選んで学んでくれる留学生たちのために、必要なことは何か、
どうあるべきか、ということをまず考えたいと思います。
協力者会議の今までと今後の行方、こちらで見られます。