日本語教師になったからこそ遭遇した各国の様々な食べ物。
最初の経験は、34年前のデビューのとき。
香港からの学生が何人もいたクラスの教室に行ったら、
教卓の上に醤油漬けの何かが入ったビニール袋がありました。
「先生、食べて食べて」と言われて中のものをつまんだら、
ニワトリの足首から下、つまり指のある部分でした。
ぎょえ〜!と思ったけれど、食べたら美味しかったです。
※こういう姿勢により、一気に信頼を得ることになります。
「先生、奥さんケーキ、食べたことありますか」
と聞かれて、ないですと答えたら、次の時間に教卓の上に。
でも、見たら「老婆餅」。老婆?なにそれ? え?老婆??
と狼狽したら、老婆は妻のこと!と、そのとき初めて知りました。
中国語圏の人は漢字があるから日本語の勉強、楽でしょと思う人、
いるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
もちろん、中国語の漢字と日本語の漢字の意味がまったく
同じものもたくさんあるけれど、違うもの、予想外ものが
少なからずあります。
※新聞はニュース、愛人は配偶者、手紙はトイレットペーパー等々。
写真は、ついこの間もらった台湾の学生のお土産。
昔々、学生が私に「奥さんケーキ」と言ったお菓子ですが、
この袋には「妻ケーキ Wife Cakes」と。
ううん、なんとなく奥さんケーキの方が好きかなと思いましたが、
なんであれ、老婆のケーキでないことは確か。
あの頃は20代だったから自分のこととは思わなかったけれど、
今初めてこれをもらったら、失礼!って思うのですよね、絶対に。
今日現在の在籍学生の国籍は35ヶ国。
色々おもしろい食べ物だの習慣だのの話があるのだろうなと
思うのだけれど、外国人に日本語を教える先生を引退しちゃった
から聞けないのです。残念。
・・・本当に引退して本当に老婆になったらまた、かな。