最近ずっと気になっている日本語があります。
それは、「…てございます」。
「このようになってございます」「こちらに用意してございます」
「ただ今、検討してございます」「そのように書いてございます」
「ら抜き言葉」(見れる、食べれる…)の流行が若者発だったのと違い、
官庁やその出身者、時に企業の偉いちゃんとした方がお話になる場で
多く散見(散聴?)されるのが厄介なところかと。
かつて、優美で上品とされた宮中に仕える女房の言葉が、
将軍家に仕える侍女、武家や町家の女性、そして男性へと伝わり、
今では誰もが使う言葉(おかず、しゃもじ…)になっているように、
言葉は生きているのだと思います。
しかし。
私は、ら抜き言葉も、冒頭の「…てございます」も気持ち悪い。
言葉は生きているのだからと言わないで!市民権を与えないで!
と、強く思ってございます、じゃなく、思っているのでございます。
※しかしながら、ら抜き言葉とされる「来れる(これる)」を
我が故郷では普通に使うので(方言と呼ぶか?)、
我が主張に矛盾ありとおっしゃる輩(御仁)もいらっしゃいます。
ところで、昨日は、学校法人長沼スクール 東京日本語学校の
創立70周年記念講演と祝賀会にご招待いただき、渋谷に…。
日本語教育界をまったく知らない方に、
「日本語教育史に載る、最も歴史ある日本語学校です」
としてきた私の説明、形容は正しかったなと終始思うひと時でした。
今日のタイトル「日本語・日本人・日本文化」は、
記念講演をされた近藤誠一 元文化庁長官のお話。沁みました、心に。
そしてそして、なんとも美しく耳に届いたのは、
長沼現理事長の「大変嬉しゅうございます」などなどの言葉遣いでした。
「…しゅうございます」(懐かしゅうございます、美味しゅうございます)を
他の方に違和感なく自然に使いこなせるようになりたいけれど、
北関東で空っ風に吹かれて育ったのでね…と言い訳している私にとっては、
さすが長沼直兄先生の末裔でいらっしゃるという思いに浸ることのできた
ひと時でもありました。
追記。
調べたら、なんと!創設者 長沼直江先生は群馬県伊勢崎市出身と!
空っ風吹く北関東の、言うなれば同郷出身でありました^^